[電気08] 送電について
はじめに
01 電気の送電のしくみ
02 そもそも電気とは?
03 発電所からの送電の構成図
04 柱状変圧器のしくみ
05 教訓
質疑応答
はじめに
前回のお話までで、どういう発電をしているのかをお話ししました。今度は電気の送電についてお話ししようかと思います。
01 電気の送電のしくみ
我々が使っている電気というのはいろいろな発電所によって電気が作られています。この発電所でつくった電気は、どう送られているのか。発電所から家までの間には、変電所や柱上変圧器などを中に入れて、我々のところまで電気が流れているということになります。
変電所というのは、こんな鉄塔がたくさんたっている場所です。
これは簑島にある変電所です。中国電力ネットワークが所有する簑島変電所です。こういった変電所をとおって、あらゆる場所に変電所があります。
02 そもそも電気とは?
その前に電気について軽くおさらいしていきます。電池に豆電球をつないで、豆電球を光らせます。
電気には、電圧、電流、電力の3つの要素をもっています。
電圧(ボルトV)というのは、電気を流そうとする力のことをいいます。
電流(アンペアA)というのは、電気の流れのことをいいます。
電力(ワットW)というのは、電気が持つエネルギーのことをいいます。
電気を流そうという力によって、電気が流れるわけです。流れている電気のことを電流といいます。この電気の流れの単位をアンペアといいます。この電圧と電流を掛け算すると、電力になります。単位はワットといいます。ワットはその数値分の電力を使うということになります。電力が大きければ大きいほど大きなものを動かせるということになります。
変電所というのは、電気の電圧を変えるということをします。電流というのは、電気の世界ではあまり流さないようにします。なぜなら流す量が多いと熱が出るからです。そうするとけっこう大変なことになります。
03 発電所からの送電の構成図
発電所からの電気の流れは、ざっくりこんな感じです。
我々が家で使っている電気、さっきいった電圧ですが、100Vの値が一般的です。
電池1個の電圧は1から2ボルトです。扇風機だったり蛍光灯だったりするのは100Vくらいです。つまり乾電池100個くらいの電池が必要。この100Vでもけっこうなエネルギーです。
我々の住宅が100Vに対して、数万Vくらいかかります。これを一次変電所で50万ボルトまで上げる。これは流れる電流の量を減らすためですね。電力は一定なんですが、電圧だけ上げると電流の量が減る。電流の値を少なくしている。だからわざと上げています。
次は二次変電所にいって、これが15万ボルトくらいにまで下げます。直接鉄道とか大工場とかに送られています。次に中間変電所に送られてこれが2万くらいに抑えられます。これは大きな工場だったり、霞が関の大きなビルとかに流れていきます。
我々が住んでいるところは、身の回りにある電柱ですね、この柱上変圧器6600Vくらいまで下げられます。中工場に直接送られていきます。
ちなみに600V以上の電圧を扱う場合は、電験の資格を持っている人しか、高い電圧を持ったものを扱えない。
04 柱状変圧器のしくみ
このようにして何段階かわけて届くわけですけど、この柱状変圧器というのは、この写真みたいな感じですね。それがここに送られてきて、鉄の板に銅線ですね、ぐるぐる巻かれていて、もう片方はまきすうが少ないと。すると低圧のコイルになるので、100ボルト、200ボルトに下がる。
05 教訓
乾電池なら直接機械に送り込むことはできる。ですが規模が大きくなると一筋縄ではいかなくなる。化学工場でも研究室で生成できた物質を大量生産しようとしてもうまくいかない。違ったアプローチが必要になります。そういった難しさがあります。ミクロレベルで考えるところと、マクロレベルで考える必要があるということだと思います。
質疑応答
Q 100ボルト、200ボルトの巻き数の図がありますよね。これって巻き数同じなのに、どうして100ボルトや200ボルトの違いが出ているんですか。
A 図では簡単に書いていますが、正確には100ボルトと200ボルトでは、巻き数は違います。
Q 写真では大きさが違う容器がありますが、この大きさの違いは何ですか。
A 大きさの違いは、電気をためれる量の違いです。中身は通常の変圧器です。
A そういえば僕、感電したことあるんですが、100Vって結構いたいですよ。最近感電したんですが…。
A えっ感電したんですか?!
A そうです。なので6600ボルトだったらもう一発アウト。
A そうなんだぁ…。こんな感じで裏方で動いている方がいっぱいいるけぇ、それで電機が使えるというので感謝しました。
A 正直、僕もそれなりに勉強してきたつもりですが、まだ電柱を扱う自信はまだないですね。
A そう考えたら電柱が設置されていることに敬意を覚えますね。
Q 田舎のところだと、電気の供給が追い付いていないイメージなんですが、そういった場所でも、電柱をたくさん並べれば届くと考えていいのですか。
A 基本的に田舎のところもしくみは一緒ですね。山とかに鉄塔を置いて、遠い村のところまで引っ張っていく。小さい電柱もたくさん並べていく。なるべく鉄塔をたくさん立てるということをしないといけません。
Q 遠くのところまで電力を引っ張るとなると、それだけ電気代がかかっているということでしょうか。
A 電気代というのは、電気の量で算出されます。田舎か都会かで決まるわけではありません。取り仕切っている電力会社の単価で決まります。
A なんだか電気の話を聴いて、詰め込みの学校教育を思い出しました笑
もうずいぶん前から詰め込み教育はよくないということを聞きますけど、これも電気の考え方と一緒で、一気に情報を供給しようとしても、一度に受け入れられる容量には限界があるから、少しずつ分けて教えるしかないっていう。それと似ているような気がしました。
A この創造力面白いですね笑 まさか学校教育に繋がっていくっていう笑
Q あと、すごい根本的な話なんですが、電気とは何ぞや。なんですけど。
僕は、学校教育では電子は電子の粒って習ったじゃないですか。電子の粒も発電所とかで。圧力かけて飛ばしているというイメージなんですけど、ここで圧力とか家の電気とかで使うときに、電気の粒だったら、エネルギーを受ける一本の線だけで十分なはずなのに、なぜかプラスマイナスの線がある。何かの抵抗を受けている。電気の何かに変える。
電気の粒を放出しているんだったら、帰ってくる必要はないのかなと思ったんですけど、ホースの水みたいに出しっぱなしじゃだめなのか。どうして帰ってこないといけないのか。
A たしかに水に例えると出ぱなっしかもしれないですね。結局電気っていうのは、普通の状態だったら電気って動かないんです。何かしら不安定にならないと動かない。電子はマイナスだから、マイナスばかりだと動かない。プラスがないと引っ張られない。引っ張られて動かないと電気は動かないということになります。
Q 素朴な疑問なんですけど、「電池が切れる」ってよく言いますよね。これって電池の何がなくなったんでしょうか。
A 電池の中にはプラスとマイナスの性質をもった性質をもったものがあります。それが動くことによって電流が流れる。動いているうちに、プラスとマイナスがくっつきます。プラスとマイナスの性質をもった性質がある。プラスとマイナスの電気の量が等しいからゼロなので電気がない状態。
僕たちは電気でできています。ですが僕たちが握手してもビリってこない。これは僕たちの体の中に同じ量のプラスとマイナスの電気が入っているからです。一般的にはそういう状態です。
ですが電池の中には、わざとプラスに偏ったものが入っています。
たとえば、プラス5が別の部屋、マイナス5が別の部屋にあるとします。それを別の部屋にあるけど、線でつないでみる。その線を通ってプラスに流れる。ということは、マイナス5あるうちの1がプラスのところにいった。するとプラス5のうちのプラス1と合わさると1個減る。これを繰り返すと「電池が切れた」という状態になります。
A これ補足すると、たとえば電気が通る線の通路の途中で水車というのがあって、ぶつかったら光が出るとか熱が出るとかそういう電気がとおることで何かしらの反応が出ますよね。そのときにマイナスの球が削れます。電気の大きさよりももっと細いところをとおるから。通ってがりがり削れたものが光になる。
A 豆電球が熱くなるのは、通り道をとおる中でがりがりがりがりこすれているから、熱が出る。狭くなるとういことは抵抗がでるということです。もし電気の通り道がスースーなもので通るとなると、大量に電気が流れてしまって、めちゃくちゃすごい高温を発電しちゃう。
A 通りやすい道だと、プラスの方位にいきたいというマイナスがどんどん流れて大きな力になる。
A 扇風機も抵抗が入っています。間違いなく。抵抗をいれないと電気は使えないからです。
A なるほど!そいうことですね。よく理解できました。少しずつ分けて説明していただいたので、理解することができました。ありがとうございます。
(2022/07/20 第8回ZOOM発表会)
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